金具師

己の技と真摯に向き合う、職人のプライド。

金具師〈名人〉

会田久男

 会田久男さんは、三代目として技術を継承されている金具師さんである。仏壇だけでなく、お神輿や、寺・神社の建物に使われる金具など、広く手がけられている。

 金具の図案は、伝統的なデザインを応用するが、何度も下書きを重ね、自分なりの下図を作る。「やはり絵心は必要だね。」ということだ。

 下図は大まかなアウトラインだけなので、細部は頭の中に描いたものを直接打ち込んでいく。よほどの器用さが必要ではと尋ねると予想に反し、手先の器用さは関係ないという。「私自身、ちっとも器用じゃない。」大切なのは、まじめにやること。他人にはわからなくても、自分でわかる出来、不出来がある。

 自分の手がけた誠実な仕事が、形として残っていく喜びは苦労をも超えるものなのだ。

彫金

彫金

仏壇の大きさやデザインに合わせ、金具の文様を決める。文様の下図を板金の上に写し取り、無数の鏨(たがね)を使い分けながら打っていく。