彫師

花鳥風月の美しさを彫り出す喜び。

彫師〈名人〉

山口 隆

 伝統工芸士である山口隆さんは、山形を代表する彫師のひとり。父上の跡を継いで50年になる。常に使用する彫刻刀はすべて特注品。彫り方に合わせて寸法や形を指定しあつらえたその道具で、作品を生み出す。

 仏壇の彫刻の題材は、動物や花、鳥、草など自然から採られている。散歩の途中で花や草を見るのも勉強なのだと語る。植物の見方にしてもただきれいだと眺めるのではなく、例えば葉脈の曲線まで、その造形の美しさを心に刻む。そんな積み重ねにより、いつか自身の手から美しい曲線となって彫り出されてくるものなのだという。

 一つ一つの彫刻は小さいものだが、仏壇として組み上げられた時の全体を頭に描き、彫る。「これで良い、などという出来はなかなかあるものじゃない」と自身への厳しさをのぞかせる。苦労はある。しかし苦労が多いほどそれを乗り越えてこその喜びが、より大きい。 

下絵下絵

下絵

昌栄社長のイメージを実体化させるため、入念な下絵を描く。