箔押・仕組師

緻密で丹念な作業、強靭な精神力が生み出す黄金の輝き。

箔押・仕組師〈達人〉

札野博義

 「好きも嫌いもないよ。仕事だから。金箔押して、組み立てる。それの繰り返しだよ。」 箔押・仕組師の札野博義さんはいう。札野さんは、子供の頃から父上の仕事を見たり手伝ったりすることから始まり、そして技を継承して来た。

 箔押しはその場所に接着用の漆や塗料を塗り、乾燥させ押していくのだが、金箔は重なってはつかないので、継ぎ目が出ないよう丹念な作業が必要になる。また、金箔のつや、色は箔下の塗りのふきとりで決まるため、そこに一番神経を注ぐ。そして、金の色を見極める目が箔師の命である。

 経験を重ねても、これで良いということはないし、自分で満足のいく仕事はなかなかない。それでもやはり1本の仏壇が完成するときの喜びは大きい。

 「苦労や喜びといっても仕事だからね。とにかくこつこつやるだけ。」気負いのない言葉は、技への自信と誇りに裏打ちされたものである。

宮殿

宮殿

山形仏壇の象徴、二重屋根宮殿を豪華繊細な金箔が包み込む。